2012年7月28日土曜日

エピソード9~伊丹シリーズは好きだ~

ボクは、ほとんど映画をみないけれど伊丹十三の映画は結構好きだ。どうして好きかというとタイミングの問題が大きいと思う。たまたま子供の頃にみたスーパーの女という映画がリアリティあふれていたせいかやけに印象に残っており、大学に入学して新しい趣味として映画を見る習慣をつけることを心掛けたことがある(結局映画を覚えようという目論見も中折れしてしまったが、、、)そんな折、真っ先に手をつけたのが伊丹十三シリーズで、スーパーの女をはじめとしてマルサの女、ミンボーの女、日本初のラーメン映画ともいえそうなタンポポなど、いろいろみた。

伊丹十三作品は社会派というか、リアリティあふれる作品である。スーパーの女では、主人公側のダメだけれども地域に信頼されることを目指す良いスーパー「正直屋」と、広告の内容にウソを書くなど悪いスーパー「安売り大魔王」という二項対立が分かりやすく描かれており、主人公(名前忘れた)とその小学校時代の幼馴染みであるおばさん(名前忘れた)が正直屋を地域に信頼されるスーパーマーケットに育て上げライバル店である安売り大魔王に勝っていくというお話である。こういう愛の貧乏脱出大作戦テイストがぼくは好きなのかもしれない。。。


大学に入ってからこの映画を再度みて、新たに印象に残ったシーンがある。それは、店長?である主人公のおっさんと、幼馴染のおばさんが一度喧嘩をしてしまい離れた後で、結局女の方が戻ってきて再開するという割りとありがちなシーンである。そのシーンに置いて一通り感動的な場面が流れたあとで、店長のおっさんはおばさんにこう誘うのである。

「この後ホテルいこう」

そして、最初は拒否っていた女側であったが、結局最後はその誘いに応じホテルにいくのである。。。ホテルシーンでは二人とも可笑しくて笑ってしまったところで場面転換に入る。。

このときボクは、こう思った。「このシーンみたいな感じで女性をホテルに誘えば、ベッドインできるのでは?」あとで考えてみたら、こう誘える関係に持ち込むまでがハードルなのであるが、そんなことは気にも留めずいつかスーパーの女のこのシーンのように女性をホテルに誘ってみようと心に決めたのである。。

そんな思いを胸に秘めながらも、卒業間近となってしまったにも関わらず相変わらずNNTで、リアルではどこの卒業訓練校に通おうかなどとハローワークに相談にいったりパンフレットを見ていた矢先、大学生活板でボクに絡んでくれる女固定が現れた。正確にはまだ女固定ではなかったかもしれないが、妙に懐いてくれていたのだ。彼女の名前は、Nとしておこう。。。

2012年7月22日日曜日

エピソード8~奇跡の1日~

大学4年の冬、単位がギリギリだったボクは、卒業できるか否かの瀬戸際に立たされていた。といっても、卒業できなかったらどうしようかと悲観的に考えるよりも、もう1年大学に残り、たとえば司書の講座を取るだとか、ぼっち研の活動の本格的に行うのも面白そうだと考えていた。

それに、今まで書くことは無かったが、実を言うと来年度はネットでコンタクトを取り合っていた女性が我が椎央大学に入学するのである。彼女の名前はKとしておくが、学部板の椎央大学商学部スレ(いまでもそのスレッドは存続している・・・)で質問の書き込みをしており、ボクが紳士の回答をしていたため先輩として信頼されていたのかもしれなかった。そして、そんなKと一緒にひょんなことがきっかけでオープンキャンパスに参加したのが2009年夏のことである。推薦で入学が決定した後もブログを通してやりとりしたこともあり、Kとキャンパスライフを送れる可能性があるし、インターネットの人間としては1留ぐらいした方が箔がつきそうなので、留年した方がよさそうに思えた。

しかし、結局ボクはNNTのまま大学4年で卒業することを決意した。。。理由は二つある。一つは、もしも来年同じように就職活動をしたところでこの無気力無能タイプが内定を貰える可能性は極めて低く、それであるならば公共の職業訓練校で講習を受けたほうがまだ違うアプローチが出来ていいのかもしれないと考えたからだ。学費の問題もあるし、職業訓練校であれば年間10万程度の学費から、逆に支援金を貰えるところまである。。。2年ぐらいの職業訓練校もあるのでそういうところであれば二年はモラトリアム満喫出来るという訳だ。上手く行けば無職の女性と付き合えるかもしれないし。

もう一つは、親に言うのが怖かったからだ、実をいうとボクは、ここがほかの人間と比べかなり異常なところだと思っているのであるが、親と進路にせよ何か相談事をしたり、交渉をしたり、話し合いをしたことが生まれてから1度もない。というか対話をした経験がないのである。。。面接でも、「君は、親御さんと会話する?」と突っ込まれてしまったこともある。おそらく親子の会話がちゃんと出来ていないからコミュ障害になってしまったというのはかなりあるかと。何でこうなってしまったかと言えば、自分もコミュ障害だが親もコミュ障害だからだと思う。。。だから、何か変わったことをする際にそれを打ち明けられるほど信頼をしていなくて、結局留年したい旨など相談できなかったのである。


話が逸れてしまったが、とにかく卒業することに決めたボクは、大学4年の秋学期になっても少し残っている単位を取るために、講義をいくつか受けていた。。。

そんな講義を受けている最中、またもやこの下らない歩く生殖器は脳内である思いが駆け巡っていた。。。

「どうせ大学を卒業してしまうのだし、ここは最後に1発、講義で見掛けた女性をナンパしてみてはどうだろうか」

と、いうわけで、とある大学1年向けの講義をこの学年になって受講していたボクは、そこに出席し1人で講義を受けていた、ショートパンツやミニスカをよく履いてくるまだ十代にも見える女の子に狙いを定めたのだった・・・・・・結論からいうといつものパターンで付き合ったり連絡先を交換することなどできやしなかったが、声をかけることが出来た。

で、この後は手抜きと思われるかも知れないが、実は一部始終について、すでに2年半程前ブログに書いていたので、それをお読みいただきたい。これにて、このエピソードは完結である。。。



以下、gooブログよりコピペ(2段目が狙っていた女の子)
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さきほどの授業でものすごいことが起こりました!ものすごいことに直面して改めて自分のダメさを思い知りもしましたが^^;

 つまり先週、女の子からプリント借りた授業だったんです。ですから当然その子にプリント返しました。ただ返すだけではアレなので、プレゼントを渡しました!!!ももいろクローバーの「未来へススメ!」CDです。はい・・・それだけ。

 するとその次、見知らぬ女性(スイーツビッチ風)にプリントコピー頼まれたわけで、ぼくはそれに応じました。・・・それだけ。

 で、授業終了後、さらに先週、プリント借りようとしたけれども失敗した女の子がぼくに話しかけてくれたのです。「先週頼んでましたよね?写さなくて大丈夫ですか?^^」、と。。。しかし既にコピった後の祭り。。。もう大丈夫だと伝えると、逆に写させてほしい箇所があるとのことで、プリントをまた手渡すことに、、、(2番目の子は授業の途中で返してくれました)。。。

 つまり、大学生活史上初めてですよ!1つの教室で約90分の間に3人もの女の子と関係を持ったのは!!!!!!!!!

 それだけですorzこれは凄いことのように感じましたが冷静になると微妙ですね、ううう・・・・

 最後の女の子は通路はさみはしたものの、ぼくの隣に座ってくれた上なぜか帰るタイミングが一緒だったのでまさか声かけられたかったんじゃ、、などと一々考えるところがキモヲタ非リアぼっちだすね^^;;;;;

 結局何もしませんでした。明日提出のレポートあるので取り組み始めようと思ったらブログ書いたりメールチェックばかりして一向に始める気配ないですorzというか文章力なさすぎてしにたい、うぅ。。。

2012年7月21日土曜日

エピソード7〜シューカツくたばれデモ〜

2009年大学4年の秋だったろうか、ちょうど、ももいろクローバーに熱中していた時期である。秋葉原UDXで行われた9月シルバーウィークのAKIBA 5DAYSでは、千秋楽で感動し号泣してしまうほどの熱中ぶりだった。アイドル関係で泣いたのはこの時のももクロと2012年3月25日のさくら学院卒業式ぐらいなものである。あのときは会場のお客さん半分以上が泣いていたという、自分の中でも印象に残っているライブの一つだった。。おまけに予定調和でない予想外のアンコールが会場から沸き起こりメンバーも感動したのかみんな号泣しだし、そのアンコールは何とか受理されるといった伝説のライブだった。。今では逆に誰もアンコールしないのにアンコールが始まる某グループもあるというのに、ボクにとってのももクロはこのころが1番楽しかった。

そんな折、ネットで面白いニュースが流れ興奮した。北海道で北大生中心に執り行われた、「就活くたばれデモ」である。ウマの着ぐるみをきたメンバーが棒に内定と書かれた人参をぶらさげて現代のシューカツ事情を皮肉るなど、中々ユーモアセンス溢れる試みをやっているなと思った。元々ユーモアとは、周縁の世界に住む人間が権力者を皮肉ることで下らない人生を面白く生きようというために使うものだとボクは信じており、そういうユーモアセンスの使い方にグッとキタのだ。未だ無い内定で正社員になる気もなかった(なれる気が微塵もしなかった)シューカツ諦観層であったため、本当にシューカツシステムに不満がありアピールしたいことがあるという訳では無かったが、面白そうなので東京でも起こらないかなあと期待していた。。

しかし、指を加えて待っていても流れてしまいそうだった。何と、このタイミングで、普段は無気力で自分から能動的に動くことはないこの冴えない男にどこからともなく溢れ出さんばかりのエネルギーが宿った!働くとか生きていくとか、そういった事柄については全く持ってやる気が湧かないが、今回はやる気マックスだった。。。といってもボクがそこで何をしたかと言えば、大したことはしていない。ヤッタコトは二つだけ。二つ目は追い追い書くことにするが、一つ目は簡単なことである。。2ちゃんねるの大学生活板に「シューカツくたばれデモを関東でもやろう!!」といったスレッドを名無しで立てて、ひたすら皆を鼓舞するような自演を繰り返しただけである。東○ハイスクールの宣伝にありそうな「じゃあいつやるか?今でしょ!!」的な書き込みをひたすらしただけである。

すると、意図どうり本当にやる気になった住人が何人か現れ、ウェブ上で作戦会議をし始めた。。こうなったらもうポンコツのボクがやることはほぼ無くて、せいぜい該当スレッドを保守することで活動を支援するぐらいだった。。勿論、誰でも予想できる「そんなことしてる暇があったら就職活動しろよ!」だとか、「文句だけ言っても何も変わらないよ!?」的説教厨決まり文句に襲われることもよくあったが、そのあたりはスルーすればはっきりいって問題無かった。。。

そうこうしているうちにデモの日程が決まり、たしか2010年1月のどこかだった気がする。ボクも名無しで一応、参加するポーズをとっていた気がする。なぜならば、そうした方が参加者が集まり易いからだ。無論本当に参加する気はなく、ネットニュースになったところを見て酒の肴になればぐらいな気持ちであったが。。デモ近くになって、誰かが宣伝用のポスターを作ってアップロードしてくれた。ここだけの話あまりセンスは無かった、、、とにかくそこで先ほど書いた二つ目のやることを実行した。単純に、印刷屋さん行きそのポスターを100部?ぐらい印刷し、各大学に貼ることにしたのだ!しかし、ここで無気力無能中折れ気質のボクは中途半端なことに二つの大学にしか貼らなかった。一校目は母校である椎央大学である。もう一校は、数少ない友人の1人が所属する地元の神○川大学だった。その友達に久しぶりに会うきっかけを作りたかったというのもあるが。。。

母校では黙々とひとりで貼って行ったが、翌日チェックすると全てはがされており仕事の速さに感心した。。

もう一校では某友人に同伴してもらい貼った。そういうことを晒しても大丈夫ぐらいに仲の深い友人も実はいるのである。。お互い社交的ではないので半年に一回ぐらしか顔を合わさないが。。その大学で作業中。軽くショックなことが起こった。。友人が、所属する部活の小柄で清楚な感じの可愛いメガネかけた後輩から挨拶されていたのである。。大学でそもそも何のコミュニティにも所属していないボクは女の後輩から挨拶されるといったイベントに出くわした経験などなく、途端に寂しさが込み上げてき泣きそうになってしまった。。とにかくそこではポスター貼りが終了したので彼と少し雑談したあと帰宅した。

そして当日、ボクは当然の如くバックれた。。無事に最後までシューカツくたばれデモは執り行われ、ネットニュースでも取り上げられた。自分はスレを立ててポスター貼っただけだが妙な達成感を覚え、ダイナマ民であることを誇らしく感じた。ユーモアセンスという意味では弱かったかもしれないがもはやそこは気にしなくても良かった。。

が、ネットニュースに掲載された画像をみると一つ気になるのがあった。そこにお姫様系の可愛い女性の姿があったのだ!!!はっきりいって、やっぱり参加すれば良かったと後悔した。。。

その後ダイナマ発のシューカツくたばれデモプロジェクトが継続することは無かったが別のコミュニティから有志たちがたちあがった。ちなみにその代表者は、ボクがポスターを貼りにいった神○川大学の学生だった。。彼はテレビでもよく見かけるぐらいに頑張って活動していた。ご存知の方もいるかもしれないが、彼の名前は本間くんである。もしかしたら、、ボクが貼ったポスターを見てやる気が起こったのかもしれないとおもうと。本間くんはワシが育てた状態である。。

とにかく冴えない大学4年間だったが、やったぞと思えた経験をした今回の取り組みだった。。。

2012年7月16日月曜日

エピソード6.1〜秘密の仙台オフ〜

Hとのオフ計画に失敗したボクは3日目、八戸から仙台へ向かった。仙台では、事前にオフ会の告知をしており、2名から参加表明が上がっていた。オフ会をやる目的はやはり、女性との出会いであったが今までオフに女性が参加しにきてくれたことは殆どなく今回バックれずに集まってきてくれた二人も男だった。

1人はスーツ姿で細身な素朴な感じの青年だった。もう1人は自分と同じぐらい、つまり身長160台前半で丸っこい体型をしていた。事前にメールで名乗っていたとおり、顔がニャンちゅうに似ていた。ニャンちゅう似の彼は、自然にオフの輪に入ってき、凄くそういったことに慣れてる風だった。

二人とも、地方都市の素朴な青年といったところで、都会的なファッションを見にまといガツガツした嫌らしさがなく、かといってキモヲタ・ぼっちといったオドオドしていたり気持ち悪い素振りを見せることもなかった。何というか、自然な人間たちに出会えた気がした。こういう人たちとならボクも仲良く出来そうに思えた。

特にお店は決まっていなかったので、二人に仙台オススメのお店を案内してもらう事にした。道中、白い髭を生やしたホームレスがベンチに腰掛けていた。東京であればよく見掛ける光景なので別段気にも止めなかったが、スーツを着た青年が「彼は仙台の主なんだよ。ゴミを捨てると注意してくるんだ」と説明してくれた。たしかに他にホームレスらしき姿は見えず、仙台の街では有名なのかもしれなかった。

お店に入っていろいろと話をしたが、どうやら二人とも自分と同い年の大学4年で、NNTの自分と違い進路は決まっているようだった。スーツ青年は警官になるらしく、ニャンちゅうは金融関係に進むとのことだった。

また、オフに参加するとよく、「実は大学生活板のこと殆ど知らないんです〜〜」という輩も出てくるが二人はそうではなかった。昔からダイナマを見るだけでなくスレもよく立てて来たようで、最近の固定は踊らないからつまらない、と愚痴をこぼしてもいた。

その後は自分がそういう話しかしないせいでもあるが、やけにナンパの話ばかりしていた気がする。特にニャンちゅうは経験豊富らしく、最初に声をかけるときどうするかや、新宿でナンパしたら華麗スルーされた話などを披露していた。スーツ青年も、居酒屋の店員にアドレス書いた紙を渡したら返事が来たことあると言っていた。他の二人がどう思っているかは分からないが、自分は居心地のいいオフ会だと思った。。ニャンちゅうは、こんなことも言っていた。「自分は都会の雰囲気にどうしても馴染めない」と。人当たりが良さそうな彼だったが、心に深い闇を抱えていそうだった。1年後、その闇は爆発してしまった訳だが。。。

解散後、ボクは仙台のカプセルホテルで泊まることにしたが、どうにもムラムラが収まらなかった。。そこで1万円を握りしめ、仙台の風俗店へいくことにした。フラフラと夜の仙台を半袖半ズボンで歩きながら、居心地はとてもよく感じた。どの店にしようか迷ったが、客引きが若くチャラ男風のお店へ入るのは怖く感じたので、小汚い爺さんが客引きをしている店に入った。その店は最悪だった。カタコトの全く可愛くない東南アジア系の女性が接客してくれた訳だが、射精どころか勃起すらせず30分を終えてしまった。若いチャラ男の店に行けば良かったと後悔しつつ、カプセルホテルに戻り寝た。

翌日はもう帰るのみだった。関東に近づくに連れ寂しい気分になった。。途中大宮で下車したがやることないのですぐ改札に戻り帰宅した。

こんな東北への旅が終わった1年と少し後だろうか。大学生活板で事件が起こった。ドラさんのUstream自殺配信である。ボクは該当スレを見ていなかったのであるが、後で調べると合点がいった。金融機関に就職、ナンパ大好き、ダイナマ民、ニャンちゅうと名乗る、、自殺したドラさんとは、間違いなくボクが仙台オフで出会った彼だったのだ。社会という車輪の下に飲み込まれてしまったのだろうか。仲間意識を感じることも出来た彼は死んでしまったのだ。。。

素朴風で都会のキャンパスで見かけないタイプの彼だったが、もっと承認してくれる場所もあったのではないだろうか。何とも後味の悪い結末であるが、自分も同じ道を辿るのか別なルートを開拓できるかははっきり言って分からない。ただ、このブログはかなり切羽詰まったボクがくだらない人生の総集編として書いているものだ。これを完結させるまではまだ生きることに決めている。。。

2012年7月15日日曜日

エピソード6〜東北への旅〜

式根島で1人旅デビューしたボクは、その後、神津島という離島にも旅をした。神津島では特筆すべきエピソードはないので触れないが、第三弾として大学4年の夏休みである9月の第一周目平日にて東北への3泊4日の旅が執り行われた。

いろいろとスケジュールを組んだ今回の旅も結局のところ目的は、地方の純朴な少女との出会い、なのだからそんな無いものを求める自分の愚かさを後から振り返ると下らなくて仕方がなく感じる。。この悶々としたエネルギーを他のことに昇華させることは出来やしないのかと。。。

とにかく一日目は、岩手の盛岡をほっつき歩きながら宿泊した。ここではこれといって書くことが無かったように思う。強いていうなら駅前にナンパ待ちに見える20代中盤らしい女性が広場の椅子に一人で腰掛けており、話しかけようか迷ったがけっきょく話し掛けられなかったぐらいか。

ただ、盛岡駅に到着する直前の電車内で何とも初々しく心が洗われる出来事に立ち会えたことを記憶している。それは、5〜6人の制服を着た中学生か高校生ぐらいの少女たちと(平日なので、彼女たちは学校帰りの可能性が高い。そういう日常を覗き見るのが今回の旅の目的でもあった)、私服を着た彼女たちと知り合いらしい1人の少女が出くわしたのだ。そこで制服を着たメンバーのうちの1人がからかうように私服ちゃんにこう話しかけた。

「あれ〜今から彼氏に会いにいくの〜!?w」

、と。そして私服ちゃんは照れるように何か言葉を返していた。このような少女たちの日常のヒトコマに立ち会えたボクは、とても幸せな気分になった。初々しくていいなと和んだ。

そんな光景を回想しながらカプセルホテルに泊まり二日目、盛岡駅を出発しボクは第三セクターと呼ばれるサービス群にはいる、民間と公共を掛け合わせた鉄道を利用した。JRでないため青春18切符を利用できない電車にわざわざ乗った理由は、とあるラーメンを求めていたからである。ボクが高校生ぐらいの頃だった。新横浜ラーメン博物館で一番のお気に入りだった岩手県久慈市の「千草」というお店である。あっさり淡麗タイプの鶏ベースのスープとモチモチと弾力のあるちぢれ麺の組み合わせが好きで、こういう淡麗ラーメンが現在のボクの嗜好を作り上げているのかもしれなかった。

ラーメンを楽しんだ後は、八戸駅に到着した。ここでボクは2ちゃんねるの大学生活板を開き、某スレに書き込みをした。

「髪◯ちゃん、今、青森の八戸にいますが、オフどうでしょうか?」

彼女はHと呼ぶことにするが、青森在住ということを聴いていたので、八戸まで着てオフを懇願すれば、熱意が伝わり来てくれるのでは?と期待に胸を膨らませていた。。しかし、いくら書いても全くHからの反応はなく、結局オフは出来なかった。。。

ディナーは、八戸せんべい汁だった。B球グルメとして有名になる前だったが、汁の中に入りふにゃふにゃになった南部せんべいは美味しかった。

こうしてボクは、八戸駅の東横インで1人寂しく夜を迎えたのである。。。

2012年7月8日日曜日

エピソード5〜美容室に半年通う〜

実はこのエピソードを披露するよりも遥か前、美容室に挑戦したことは一度あったのだ。それは確か大学一年の夏休みで、まだ好きだった高校の部活の後輩Aと繋がりがあり、某個別指導塾のアルバイトでそれなりに充実していた時代だった。そのときは、一度通ったときに疲れて感じもう行かなくなってしまった。女性店員がカット中絶え間なく話しかけてくるからである。これにはボクもウンザリしてしまった。せっかく話掛けてくれているのだから無視をするのは失礼だし、少しでも会話を弾ませなければと気を遣いっぱなしだった。たしかに髪はオシャレになり、眉毛もキリッと整えてくれた。しかし気遣いが凄く疲れてしまい、もう行きたくなくなってしまったのだ。。。その後は1000円カットや床屋さんで済ませる日々を送っていた。

しかし大学3年の秋だったか。またもや気が変わり、やはり髪型をカッコ良くしなければモテないだろうと、急に決心をした。。ボクは気がコロコロ変わりやすいのである。それと同時にある約束も自身と交わした。それは、こういう内容である。「とにかくどんなに店員と会話が嫌でも、最低半年は通おう。半年たってもダメだったら通うの辞めればいいんだ」という訳で半年通うことにした。

ボクがチョイスしたお店は、女性客がほとんどで、男性スタッフがほぼいないところだった。何故かといえば、特に男性の美容師は怖くてたまらなかったからだ。「あんなチャラチャラした雰囲気の男性美容師たちは、きっと自分のようなキモヲタが来店したら、見下しながら馬鹿にした態度で接客するに違いない」と思い込み、男性スタッフだけは何が何でも避けたかったのだ。。だから、女性店員比率が高いお店をチョイスした。

勇気を出してそのお店に入ろうとしたが、足が竦んで中々入れなかった。やはり天下の美容室ともなると緊張してしまった。しばらく店の周りのスーパーやら本屋をウロウロしつつ、行くぞ行くぞと自分に喝を入れながらようやく来店まで漕ぎ着けることが出来た。来店まで一時間以上掛かったかもしれない。美容室入るだけでまるでアドレス作戦の時並に勇気を振り絞らなければならないとは、我ながら小心者で情けない。。。

お店に入ると、まずは受け付けてカットしたい旨を伝え、待合室で暫く待つことにした。受け付けの女性は結構可愛いかったが、ボクを小馬鹿にしているようにも思えた。しばらくするとボクの髪をカットする役目を背負わされた女性店員が現れた。20代後半らしく、髪はやはり染めてオシャレ風だったが落ち着いていてキモヲタを馬鹿にする怖さはなかった。その女性店員は、Wさんという名前だった。

始めはWさんからアンケートを受けたが、そこで困ったことが、起こった。どんな髪型にしたいかという質問を投げ掛けてきたのである。これは返答に窮する質問だった。はっきりいって自分に、したい髪型などまるで無かったのである。リア充雑誌の髪形写真が一覧になって並んでる本を見ても、「イケメンリア充うぜー」という感想しか湧いて来ず、こうなりたいという髪型ビジョンが掴めないボクには過酷な質問だった。

その後何て答えたかは忘れた。おそらく、自然に、とか、今風、とか、大学生らしく、といった曖昧でどうとでもとれる答えを返したのだと思う。そうして遂にカットが始まった。Wさんは大学一年のときに経験したよりもそんなに話しかけて来ることはせず、気を遣って疲れることは無かった。それどころか、ちょっとした喜びを提供してくれた。Wさんのおっぱいが、ボクの後頭部に当たっているのである。。。童貞のボクを釣ってカモにする作戦なのかも知れなかったが、それでもボクは興奮して股間が熱くなるのを感じた。その後はボーッとしながらもカットが終了し、イケメン風かよく分からないがワックスをつけてツンツンした髪型になっていた。

その日の夜は妙な興奮を覚え、髪型でモテるなどといった当初の目的をすっかり忘れ、Wさんの胸の感触を思い出しながら、オナニーをした。。それからボクはWさん目当てで8ヶ月ぐらい通ったように覚えているが、結局普通の床屋に戻した。理由は、目的のWさんが美容室を退職することとなってしまったからである。話を聴くかぎりリストラっぽかった。たしかに可愛いくて胸を当てて来るが、美容師としてのテクはあまりないのかも知れなかった。そして通い続けてもボクのリアルで何か変化の起きる兆しが皆無だったので、美容室に通ったところでモテには意味ないと感じだし、入店までハードル高く感じ緊張してしまうような場所にわざわざいくことないなと、床屋に戻したのだ。

Wさんが退職するタイミングでお店を出ようとすると、いつもと違い外まで迎えに来てくれ、お別れの挨拶をしてくれた。ボクも、「今までありがとうございました」的なお礼を投げ掛けた。そのあとに何か気の利いた言葉でも言えればよかったのだが、言えなかった。。またしても何も思いつかなかった。メアド交換も一瞬脳内をよぎったが実行には移せず、そっけなく見えるだろう態度でその場を後にした。

Wさんは可愛いし落ち着いていて、美容師なのに(なんとなくチャライイメージがあるのだ)キモヲタを馬鹿にしないいい女性だと思った(という妄想なのかもしれないが)。その後も連絡取り合って会いたかったが、それを実現するための行動をいっさい取れないボクの不甲斐なさに、悔しくてないた。。。

しかし一個だけ、褒められる内容がある。それは、「最低半年は何がなんでも通う」という自身と交わした約束を守ることが出来た点である。大したことではないかもしれないが、大事なことを達成したように思えた。