2012年8月18日土曜日

エピソード10.3〜ワンピースの麦わら姫と〜

Yのことは段々と忘れかけ、Nとスカイプによる交流を深めていったボクはとうとう、幸か不幸か会社というものに入社をし、社畜生活が始まることとなった。ボクは新しい環境に順応することが非常に苦手で、かつて殆ど知らない人間ばかりの空間におかれることとなった高校時代には、入学したての頃緊張しすぎのせいか朝起きると毎日鼻血が出ていたぐらいである。

そんなだから最初の社畜生活もとにかく緊張の連続で頭が真っ白になっていたように記憶している。そんな状態の中、帰宅してはNとスカイプ通話をするような初期社畜生活を送っていたところ、数日経つと意外なアカウントからメッセージが送られてきた。。。

そう、誰かと思えば、突然Yから怒涛のメッセージを受け取ったのである。どうやら以前、ボクがgooのブログに書き綴ったYへの想いを丁度読み切ったところらしく、「こんなに私のことを想ってくれていたなんて」だとか、「今まで信頼していなかったけれど、信頼出来ます」だとか、とにかくボクが何も返事をしなくても、滝のようにメッセージを送ってくるのである。ボクははじめ、そのメッセージ群に対して、「でもしばらくするとまたいなくなっちゃうんでしょ?」と冷ややかな返事を送った。それに対してはこう返ってきた。。「もう二度と離れません。だってこんな悲しい思いしたくないもん」(その約2週間後には見事に1年以上姿を消してしまうわけだから、やはり大物である・・・)。。そしてやりとりはチャットから通話に移行した。通話を開始して一瞬で気付いたのは、彼女が泣いていたということだ。これには参った。ボクが離れた悲しさでなんと、この感性豊かな魔法少女Yは涙を流していたのである。これにはもう、彼女いない歴年齢の冴えない童貞男などいとも簡単に心が奪われてしまった。。。

でも彼女は演技というより、本当に泣いているみたいで(それも童貞の発想と言われればそれまでだが・・・)、最高に守ってあげたくなった。感性豊かで甘くて可愛い声をした魔法少女Yはこの宇宙の法則を上書き保存出来る程の力を持っているかもしれないと当時のボクには思えて仕方がなかった。。。

そして通話中、今まで頑なに拒まれ続けていた念願の「サシオフ」を、いとも簡単に承諾してくれた。JのときもNのときも、あるいは就職にしてもそうだが、上手くいくときは今まで永遠に無理だろうと考えていたようなことが、本当にあっさりいとも簡単に実現してしまうもので、人生というのは分からないなと感じた。人生は確率の勉強をしていると必ず出てくるサイコロを転がすことの連続なのかも知れない。。。そしてYとは次の休日に、秋葉原でデートをすることになったのだ!

デート当日、ボクは電気街口の改札前でYの降臨に備えていた。。。しばらくすると、絶対にこのコだろう、と一瞥して分かるような風貌が現れ、本当にそのコが大学生活板伝説の女固定こと、Yだった!!!その風貌はまるで何かのアニメにでも出てきそうな可愛いお姫様そのもので、今まで会ってきた可愛いと思うランキングを軽く塗り替えてしまった。彼女はまず、麦わら帽子を装着していたのである。そして、服は白のワンピースだった。身長は160台中盤に見え、少々猫背だったと記憶している。体型は普通で、髪は黒かった。。。肌は白く透き通っており、思わず触りたくなってしまった。

ボクを見つけると微笑みながら挨拶をしてくれたが、こちらは完全に緊張してキョドってしまいまともな受け答えは殆どできなかった。

頭が真っ白なまま、UDXへ向かう上りのエスカレーターで、ボクは我慢が出来ず髪を触らせて貰った。Yもそれは拒むことをせず、むしろ受け入れてくれたかのように思う。そのままYはボクを見つめて、その甘い声でこう囁いてきた。「ねえ?私とN、どっちが好きなの?私の方が好きなら、ブログにそのこと書いて^w^」と。。。ボクは状況が掴めず、フリーズしてしまった。。しばらく経つとYも冷静に戻ったようで、「あたしなんてこと言っちゃったんだろう、、これじゃビッチだよぉ。。。」などと呟いていた。その後もアニメイトなど回ったが、エスカレーターのインパクトが強すぎてあまり覚えいない。。そんなこんなで秘密のアキバデートは終了し、自宅でブログに彼女のことが好きだとAAを使って表現した。。

その後もう一度アキバデートは敢行されたが、帰り際に「しばらく○○さんとは会えなくなると思う」という意味深な言葉を残し去っていった。そして彼女は、本当にネットの世界から消えてしまい、それから冴えないボクの、お姫様Yの亡霊ヲタ生活がスタートした訳だ。。。

0 件のコメント:

コメントを投稿